【160㎞のストレートで三振を取るよりも超スローナックルボールで打たせて殺せ】

2019-07-09

 最近の野球を観ていて感じることは、フォアボールの連続で満塁になるケースが多いことである。球速は速いがコントロールが悪いのと打者の心理を読む駆け引きのピッチングができていないように思える。ピッチャーの精神にも強さを感じない。のらりくらりと打たせて殺す(とる)ピッチャーを見ることが少なくなった。今では直球で150kmは珍しくはなくなった。そういうピッチャーは、三振をとるがホームランも打たれる。あまり面白くない。スローカーブで三振を取ったり、シュートを打たせてボテボテの内野ゴロアウトが面白い。そのような球種のひとつに『ナックルボール』がある。

ナックルボール
 ナックルボールとは。
超スローボールである。ボールの回転が少ない。不規則に変化しながら落ちてゆく。そもそも投げた投手でさえどこへ行くか分からないという。最大のメリットは、肩の負担が少ないので中1日での登板でもOK。最大のデメリットは、そのボールを受けるキャッチャーがほとんどいないことにある。それにしても、石コロみたいな硬球がいとも簡単に変化するのだろうか。
今シーズン、広島カープの中継ぎ投手で活躍しているレグナルト選手がいる。長身から繰り出される縦割りのカーブが武器である。その球種は、ハンマーカーブと呼ばれ、見ていても気持ちが良い位変化している。そのカーブにストレートを組合せ打者との駆け引きは見ていて面白い。

打者との駆け引き
 TV中継を見ていると、実況と解説者が一球ごとに球種の言い争いをしているのが気になる。 今のはスライダーだ。いやフォークだ。の言い争いである。と、言うことはそれだけ、はっきり区別のつく球種じゃないのである。基本的な球種を少しだけ変化させただけのものである。微妙な軌道と言うやつだ。基本的な、ストレート、カーブ、シュート、フォークの4種類で充分である。そして,打者に対し錯覚を与えれば良いのである。130kmのストレートが150kmに思わせる投球術である。良い例が高めの釣り玉だ。打者は微妙なストライクゾーンを見極める選球眼を持っていながら、あんなコースを外れた高いボールを振って空振りをしてしまうのである。

魔球を投げてくれ
 9回抑えの守護神は、豪速球に頼ることなく、丁寧に『打たせて』3アウトを取って欲しいものだ。安心して見ていられるストッパーが現れて欲しい。最近は大体が、2アウトまで取って何かのきっかけでフォアボールを連発し満塁としてしまうことが多い。挙句の果は、押し出しやヒットを打たれるケースである。それは最近の球界で各チーム共通したパターンである。160kmのスピードなどはいらない。120kmの魔球を投げて打たせて殺す面白いプレーをして欲しい。