【コロナ禍での新年初売り邪道企画は中止にすべし】

なんだかんだ言いながら、今年も残りわずかとなった。今年は、新型コロナウィルス騒動で日常生活が極端に制限されたものとなり、時間だけが過ぎてしまった感である。何事も『思いっきり』行動出来なかった一年間であった。コロナ禍の収束が見えない状態で年末年始の行事は、現状維持のまま自粛ムードで受け入れるしかなさそうである。

忘年会・新年会はほとんどが中止になるだろう。ただ、クリスマスだけは、先日フィンランドよりインターネットを通じて、サンタクロースは例年通り各家庭を訪問するとのメッセージが発せられた。元気になるせめてもの明るいニュースである。

さて、日本の正月行事についてはと言うと。『初詣』『初売り』がある。『初詣』の密は相当なものである。参拝の時間をズラして出かけましょうと呼びかけても、統制がとれるものではない。一方『初売り』に関しては、既に種々の対策が検討されているようである。福袋はネットでの申し込みにするとか、東京のあるデパートでは、前倒しで年内の28日から始めるなどのニュースが流れている。

何をか言わんや
筆者の生活する仙台地方は『初売り』を『買初め(かいそめ)』とも言う。新しい年の初めの買い物は特別なものである。商店は縁起を担いで、豪華な景品を付けて大盤振る舞いの商売をするのが伝統である。仙台初売りは、伝統行事として公正取引委員会が、景品限度額の特例を認めているくらいである。1月2日朝7:00にスタートしてこそ意味があるのである。ネットで注文するとか、年末に前倒しで福袋を購入することは、一向に楽しみは感じられそうもない。そんな福袋であれば、正月に行わなくて真夏に企画しても良さそうである。

数年前から全国各地より、『初売り』景品を求め年末から店の前に簡易テントを設営し、1月2日を待ち受ける様子が見られる様になった。店としても平日の商売の邪魔になることから最近は、店ごとに種々のルールを設けているらしい。豪華景品に期待して開店を待つ冷えた深夜の長蛇の列は風物詩である。苦労して手に入れてからこそ、喜びも一入(ひとしお)というものである。新型コロナ禍対応『初売り』のネット通販や年末前倒し購入の『福袋』は、何らバーゲンセールの買物と変わらないような気がする。その様な、来年の『初売り』は中止にしても良いくらい魅力がないものに思える。