【優勝マジック点灯にもかかわらず突然の消滅!そして再び点灯する不思議】

 新型コロナウィルスの感染拡大予防から、今年のプロ野球は開幕が延期となった。延びた分、しっかり体力を付けて練習してもらい、開幕投手は開幕日に合わせ体調を調整してもらうしかない。

 現在のプロ野球は、年間143試合が組まれている。いつもは、夏休みが終わる8月末ぐらいになるとリーグ優勝チームが見えてくる「優勝マジック点灯」でスポーツ新聞が賑やかになる。

 この「優勝マジック点灯」が、時として突如「消滅」する時がある。点灯すれば「優勝」したも同然と思ってしまうが・・・・。それが正にマジックと言われる所以である。洒落にもならない。

 2017年8月8日。筆者の応援する広島東洋カープは早々と、優勝マジックナンバー『33』を点灯させた。驚異的な速さである。これは球団史上最速での点灯で、41試合を残しての出来事であった。

 その年、広島は前年に引き続いて優勝するが、マジック点灯後、一夜にしてマジックが消滅してしまう出来事があった。「マジックナンバー33」は、何の数字だったのか?おかしな話である。マジックナンバーとは、優勝に必要最低限の勝利数である。それが消滅するような要因があるとするならば、優勝マジックナンバーを出す必要などないはず。「優勝マジックの点灯と消滅」について整理してみることにした。

優勝マジックナンバー点灯条件とは
■自チーム以外全てのチームに自力優勝の可能性が消滅した時に点灯する。
■自チーム以外全てのチームが全勝したとしても、自チームが残りの試合を全勝でシーズンを終え自チームの勝率がリーグで一番高い時。
■残りの直接対決試合数が、2位のチームとのゲーム差よりも少ない時。
■自力優勝できるチームが1チームになった時。

 点灯条件が一つだくではないことで、点灯したり消滅したりするのである。どうやら■残りの直接対決試合数が、対象チーム(2位チーム)とのゲーム差よりも少ない時と言う説明の終盤戦の時期が、本来の「マジックナンバー」と呼べるものかも知れない。他の条件は、かなり流動的な要素を含んでいる。流動的な状況でマジックを点灯させるから、消える場合が出てくるのである。マジックが出た途端、連敗トンネルに入り込んでしまい対象チームが大型連勝した場合などが典型的なケースである。

「点灯」の概念を変えることで、意外とスッキリするはずである。「点灯」を、優勝が決まった時点と考えるのではなく、優勝までの数字が見えてきた時点と考えるべきである。優勝までの『可能性数字』である。

 マジック点灯は、優勝までのスタートラインである。そこから、マジックナンバーを減らすことが始まるわけである。

マジックナンバーとは
 優勝に必要最低限の勝利数。
 他のチームの試合結果に関わらず、自分のチームがあと何勝すれば優勝が決定する「勝数」