【ハイブリッド列車に乗車して改めて感じた「キハ」列車の魅力】

 ハイブリッドシステムは、自動車の世界だけではなくJRのローカル線鉄道を走る列車においても進んでいる。以前から乗車してみようと思っていた「ハイブリッド列車」だったが、そのうちに・そのうちにと思いながらいつの間にか忘れていた。
 それが、仙台駅構内のコインロッカー全面に描かれた石ノ森章太郎の漫画絵を見た途端、背中を押された。(そうだ!ハイブリッド列車に乗ってみよう)と。

ハイブリッド列車とは
 ハイブリッドシステムを搭載した列車について、JR東日本からの資料に分かり易い説明図があるので見て頂きたい。現在、ハイブリッドシステム列車は宮城県内では、JR石巻線(仙台~石巻)を走行している。

 このシステムは、エネルギーとなる電力を、発電用ディーゼルエンジンでバッテリーに充電(蓄電)使用していることで、現在のパンタグラフからの電気をエネルギーにしなくても良いという世界で最初に開発された列車である。

ハイブリッドシステムのメリット
 どれほどのメリットがあるかは疑問である。
 しいて上げれば、電化路線でも非電化路線でも両方の路線を走行できること。経費的には、非電化路線を走行するディーゼルカーであれば、燃料として使用される軽油が必要なくなることである。軽油が電気に代わることでどれほどの差があるか分からないが、かなりの燃料費が節約できるはずである。

ハイブリッドに乗車してみて
 今後、非電化路線がこのシステム列車に切り替わることで、大勢の鉄道ファン『キハ』を愛して止まない人々を失いそうな気がした。
 JRとしては、このハイブリッド列車を「キハ」=ディーゼルカーと位置づけており仙台~石巻間を走行している列車も『キハE200形ハイブリッド車両』と称している。が、「キハ」が持つ、力強さを体感することは出来なかった。

 マニュアル乗用車の「1速」「2速」~ギアチェンジのような感覚が味わえなくなってしまった。スタート時の力強い煩い位のエンジン音はなくなった。ハイブリッド列車は、電車の駆動方式モーター音の静かなスタートとなってしまい、ファンとしては、何となく物足りない。
 高速時にディーゼルエンジンが切れる(ニュートラル状態)も味わえなくなってしまった。ニュートラル状態を惰性走行と言うが、これを一度でも体感すると病みつきになる。時々、この感覚を味わいたくてディーゼルカーに乗りたくなるのである。

 将来的には、ハイブリッド列車が非電化路線を走ることになるのは間違いない。
せいぜい今のうちに、ワンカップをお供に非電化ローカル線鉄道に乗ることに致します。

石巻駅前
 2011年3月11日の東日本大震災から10年目を迎えようとしている。駅前はどうにか復旧はしていたが以前のような活気は未だ感じられなかった。これからが、復興に向けての活動なのであろう。