【噴水型蛇口の水飲み場】

いつ頃から見かけることが無くなったのだろう。正式名称は『立形水飲栓』。以前であれば駅のホームには必ず設置されていた無料飲み蛇口であったが、今ではほとんど見かけることがなくなった。

先日、公園でこの水飲蛇口を見た。新たに設置されたものではない。今まで気が付かなかっただけである。哀愁で思わず撮影した。通常、公園のトイレに手洗い場が設けられているが、純粋な水飲み場を見ると嬉しくなる。昔の水飲み場は、上部が水飲み専用で下の蛇口は、タオルや足洗いで使用した。今回、公園に設置されていたものは、公園の美観に合わせた綺麗な水飲み専用であった。

『立形水飲水栓』の、水の飲み方は難しい。水量が多くても、少なくても飲みにくい。ハンドルをひねる水量調整が微妙だ。少なかったら蛇口に口を直接付けることになり、それは、とてもできることではない。ハンドルをひねり過ぎたら過ぎたで水圧が強くて、飲みにくいのである。

この噴水型水飲み蛇口は、衛生面でよく考えられている。中には、360°回転する蛇口がついていて、手を洗う時は下向きに、水を飲む時は上向きにして使用するものがある。直接、蛇口に口を付けることなく飲めて衛生的である。360°回転蛇口と噴水型蛇口と用途は一緒であるが、水量と飲みやすさからすると噴水型蛇口には敵わない。

最近は、病院とかオフィスの廊下などに飲水専用のものが設置されているのを見る。足でペダルを踏むと開栓し適度の水量・水圧で水が出てくるもので、これだと、水栓バルブを微妙に調整する必要がない。公園にあるもの、病院・オフィスにあるもの。それらは、水を飲む時にコップを使用する必要が無いのが“ミソ”である。今でこそ、コップはプラスチック製であるが、昔(小学生時代)はアルマイト製で、誰かが家に持ち帰らないようにチェーン付で蛇口に止められていた。そのアルマイト製コップを使用するか、手をコップ代わりにするかは当然個人の自由である。

昔のことは忘れたが筆者のことだから、前に並んだ人が女性でコップを使用すれば当然のこと『コップ』を使用しただろう。前の男性がコップを使用するようなことが有れば『手のコップ』を使用したに違いない。