【テレビのリモコンがこんなにも重要なものだとは思ってもいなかった】

テレビのリモコンが操作不能になった。電池の消耗が原因かと思い新品と交換してみたが、一向に働かない。リモコン側かテレビ本体側か分からないが信号送受信関係の故障と思われた。日頃それほど、見ることがない2台目のテレビのため、リモコンが無くてもチャンネルの切り替えで、いちいちテレビ本体まで移動する多少の不便さはあっても仕方ない程度に思っていた。

ところがである。テレビ本体に付いているボタン類というのは、主電源と音量調整そしてチャンネル切り替えは可能であるが、意外と苦労・手間を要するものであった。そこまでして見ようとは思わないくらいである。そのテレビは10年前に購入したものである。

確認の意味で、最近購入したテレビを見てみると、外観にはボタン・スイッチ類は全く見当たらない。これだったら、リモコンが使用できなくなったら全く見れなくなってしまう。10年前のテレビだからこそ、手動切り替えでも何とか見れるわけである。

それこそ、テレビが普及した昭和30年代のころは、当然、リモコンで操作するテレビなどは存在しなかったが、その分、当時のダイヤル式のチャンネル切り替え操作の方が、操作し易かった。

リモコンが使えるようになるテレビが世に出だした時も、それほどリモコンの有難さは感じなかった。せいぜい、電源のON・OFFそしてチャンネル切り替え用くらいのものとしか思っていなかった。
テレビが大きく変わったのは、ブラウン管から液晶ディスプレイになり地上デジタル放送に切り替わったころのような気がする。薄型テレビの出現である。

今回、リモコンが使用できなくなったテレビは、当時世間を賑わしたシャープの「AQUOS」である。本当はシャープが行っていた当時の販売戦略が嫌いであった。亀山モデルと称して、三重県亀山市で製造する「AQUOS」は、他の工場で生産するものより綺麗な画像で品質管理が優秀であるのを謳い文句にPRしていた。裏を返せば、シャープのテレビは、製造工場の違いで製品にバラツキがあるということを自ら公表しているようなものである。もしかして、亀山工場以外で製造されたテレビに「亀山モデル」のシールが貼られて店頭に並んでいたのかも知れない。
その嫌いだったシャープ製品を購入したのは、他社製品と比較して値段の安さからだったに違いない。

話が逸れたが、今回のリモコントラブルで認識したことは、テレビリモコンは単なるテレビのチャンネル切り替えの便利な付属品ではないと言うことであった。そう言えば、初めてテレビの立ち上げ設定をする時は、全てリモコン操作で行い、リモコン無くしてテレビを観賞することは出来ないのである。リモコンはテレビの心臓部的な役割を持っている重要なものだとは思ってもいなかった。