【熊騒動こんな学芸会的な訓練で身を守れるのか】

2023年の秋。全国各地で今までにない『クマ』による人身被害が多い。その人身被害と言うのが、熊が人間社会に入り込んで来てヒトを襲うというものである。天候不順による山の果実が不作と温暖化による冬眠時期の遅れで、冬眠前の今、食べ物を求めて低地まで行動範囲を広げ、大量出没となっているみたいである。秋田県を中心に東北地方に多い。秋田県では、10月だけで30件近くの事故・被害が発生している。

熊の愛護団体
動物愛護団体に言わせたら、「熊に悪いことは無い」と言うに違いない。気の弱いおとなしい動物だから、驚かせなければ大丈夫と言うのがお決まりの言葉。まるで、ヒトの方が熊を驚かせているみたいではないか。無断で人家まで入り込んで、食べ物を食べて、更にその上ヒトにまで被害を与えて何がおとなしい動物か。と言いたい。「熊を守れ」などとは以ての外である。

この様な話題が起きると愛護団体以外にも、自称熊に詳しい大学教授とか猟友会メンバーらしいヒトが決まって現れ,武勇伝を語り、お決まりの対処方をアドバイスするだけである。最悪のコメントは「いずれにしても、冬眠のシーズンに入りクマ被害が落ち着くことを祈るしかない」などと一向に解決策となる内容は聞けない。新型コロナ特命教授が、偉そうに手洗いとマスクに注意して生活することをアドバイスするのと一緒である。

熊の出没している地域では、子供たちの登下校時は非常に危険である。現実的な対策を講じてもらわないことには安心して生活出来ないのである。突如、街中の自宅庭で襲われると言うのだから、「気の弱いおとなしい動物」なはずがない。所詮『獣』であり危険な動物なのである。仕掛けた檻に掛かった暴れる猪や熊をみたら、かなりの凶暴さを感じる。

猟友会
詳しいことは知らないが、全国各地で猟友会と呼ばれている人々は、同好会的存在で狩猟の「腕前」はそれ程のものは持ち合わせてはいないらしい。現に、多くの猟友会の人々も的を撃ち損じて、熊の逆襲被害を受けていることが報じられている。早い話が、狩人でもないヒトが猟銃をぶっ放しているだけらしい。獣の習性を知り尽くし立ち向かうハンターではないのである。

だから、TVニュースで放映される猟友会による「駆除訓練」を見ていても一向に緊張感はなく、まるで学芸会的雰囲気だ。

駆除訓練
その猟友会と県の担当者が、熊被害対策として「駆除訓練」なるものが、東北各県で盛んに行われている。TVニュースで良く目にするが、全く現実的ではない。公務員的な発想で、単に「駆除訓練」を広報しているに過ぎない。訓練の内容も、各県全く同じような企画であることも驚かされた。本気に『マタギ』の子孫にでもアドバイスを受けて、対策・訓練しなければ駆除など出来そうもない。

宮城県内のTVニュースの画面であるが、全く小学生の学芸会である。「熊役」と「猟師役」によるお話である。熊が茂みに隠れているところを猟師が発見し鉄砲で「バ~ン」のワンシーンである。秋田県では、猟銃とジュラルミンの盾をもった数名が「熊」を取り囲んだ訓練をしていた。まるで、犯人逮捕劇である。

この訓練は私たちに、何を教えているのだろうか。全く分からない。

もしかして、この「駆除訓練」は、猟友会メンバーに対して、的に命中しない限り熊の逆襲を受ける危険性があるので注意して下さい。との県からのお願いかも知れない。

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