【原稿用紙を丸めてポイ捨てする意味】

昔から原稿用紙には興味がある。魅力がある。原稿用紙を用紙を目の前にする時、出来上がりは別にしても書き上げる意欲が沸き上がるからだ。身が引き締まる思いになる。
と言っても、ワープロが世に出だしてからは使用することがなくなった。ワープロソフトで原稿用紙のフォーマットを使用できることはできるが利用することがなくなった。ワープロが普及し原稿用紙を使用しなくなって分かったことがある。

昔から、作家と言うと原稿用紙に向かって万年筆でモノを書き時々、原稿用紙を「くしゃくしゃ」に丸めてポイ捨てする姿がイメージ化されている。恐らく、大方の作家に当てはまるのではないだろうか。それは、ストーリーの構成、組立に行き詰まり「くしゃくしゃ」ポイ捨てしてしまうことが一番に考えられる。いや、それ以外考えられないと思っていた。

最近、思いが変わった。書き上げに行き詰まって「くしゃくしゃ」ポイ捨てしている可能性より、『て・に・を・は』の使い方による書き直しの為のような気がしている。それと、センテンスの前後差し替えなど。

全ては、ワープロが普及する以前の問題で、ワープロさえ使え熟せれば簡単に書き直しができるし、改めて挿入も可能である。芥川龍之介や川端康成が神経質で気難しい表情をして「くしゃくしゃ」ポイ捨てしていたのは、文章表現の悩みより、『誤字脱字』『て・に・を・は』だったのではないだろうか。

但し、出版社がワープロを芥川龍之介や川端康成に持ち込んでも使い熟したか否か?三島由紀夫だったら、使い熟したと想像はできる。

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