【山本太郎議員の能登被災地訪問カレー騒動記】

2024年元旦に発生した能登地方の大地震は、甚大な被害をもたらした。
発生から一週間も経たない5日「れいわ新選組」の山本太郎参院議員(恐らく数名)で被災地入りし、状況を自身のSNSで発信したのだが、その内容が物議を醸し(かもし)炎上することとなった。

炎上した訪問報告及び会見内容と言うのが、レンタカーで被災地、石川・能登町の町役場に入りNPOのテント設営を手伝ったりの活動を行い、避難所生活者の状況報告であった。物資の輸送ルートを確保するため国会議員の現地視察の自粛も申し合わせられていたが、勝手に判断し現地入りした行動は好ましくない。が、それだけなら未だ許すとしよう。

問題は、蛇足とも思える報告である。炊き出しカレーを食べたことまで報告したことにあった。「わたしが食べさせていただいたカレーは、夜9時くらいですから、つまり何かと言ったら全体の配食が終わって、NPOの方々もみんな食べ終わられたあとの残り物だった」

山本太郎自身は、何故カレーを食べたことで非難されなければならないのか?という具合で、周囲の非難の的である内容を理解していないのである。周囲は「被災者の貴重なカレーを食べるな」「誘われても食べたらダメ」と。それでも、余程、美味しかったカレーだったのだろう。炎上後の会見でも「断る理由はありません」「普段食べるカレーの何万倍もおいしいものでありました」などと炎上に対して山本太郎は、納得できる説明(返答)ではなかった。

炎上の根底には、カレー騒動に限られたことだけではなく、被災者・避難所生活者の立場を考えない山本太郎の「独り善がり」的な行動があった様な気がする。 支援・状況視察・情報収集の目的で訪問していると思える今回の山本太郎は、本来の目的、避難所生活者のためにとは反対に、自分の方がカレーの暖かい食事をご馳走になり感激して帰って来てしまった。

東日本大震災以降、各地で発生している災害の教訓で援助物資は予想もできないくらい進歩しており、それらが全国各地から北陸に向かっていることを知った。例えば「トイレトレーラー」や「特殊フィルターによる再利用飲料水タンク」などである。山本太郎はテント設営で現地入りよりも行うことが山ほどあったはずである。
元々、ボランティアでさえ、被災地入りは事前の手続き許可が必要である。交通規制の敷かれている中、個人としてそう簡単にレンタカーで乗り込むなどできるはずがない。国会議員の金看板での行動であろう。「残り物のカレー」の説明では一般的に通じる訳がない。勝手に訪問したからには、当然、自分の食料くらいは事前準備すべきである。

カレーは、今の寒い時期で無くても日持ちするし、レシピも多彩である。5日はまだ食料が厳しい状況で、避難所で残り物(残飯扱い)にしてしまうだろうか。もったいない気がする。カレーの歴史は、イギリスの軍隊食であったことでも分かるように簡単に栄養を摂取できる重宝な食べ物である。

筆者から最後に気になった質問を。「カレーをご馳走になった翌日(朝食)は、どうされましたか?」

ブログ「これでいいのだ」