【コンビーフ炒めのクラッカーのせ】

大阪の従兄弟から食料品の宅配便が届いた。中身は『外食での飲酒は止めて自宅でウイスキーを』である。ウイスキーとおつまみ類多種。食後の果物まで添えてくれた贈り物であった。何種類かのおつまみにコンビーフ缶詰が入っていた。久しぶりにコンビーフを目にしてうれしくなった。

今から20年位前、東京で単身赴任生活を送っていた時の食事は大体が外食。休みの日は近くのスーパー惣菜コーナーから。その様な生活を送っていた筆者であるが、バイブルとも呼べる一冊の料理の本を今でも大事に愛用している。バイブルとなった所以は、副題の「すぐにおいしい酒の肴 185」の名が示す通り、料理音痴の筆者でさえ酒の肴ができてしまう所である。『おつまみ横丁』池田書店それである。

流石、使いこなしたバイブルだけあって、表紙カバーは無くなってしまっている。現在(いま)は、退職した筆者であるが、気が向くとこの本を引っ張り出して酒の肴をつくる時がある。さて、コンビーフを使った酒の肴が、「おつまみ横丁」に載っている。これがウイスキーとの組み合わせに最高なのである。贈り物が届いた翌日、早速スーパーに足を運んだ。クラッカーが必要なのである。作り方を紹介しようと思う。

「コンビーフ炒めのクラッカーのせ」
調理名は「コンビーフ炒めのクラッカーのせ」である。本に記されているそのままを紹介すると
『コンビーフを缶から出してフライパンに入れ、油は入れずに、中火でほぐしながら炒めて器に盛る。さらした玉ねぎ(玉ねぎを粗みじん切りまたは薄切りにしてから水にさらし、水けを拭いたもの)と一緒に、クラッカーにのせていただく』
これだけでコンビーフの缶詰を楽しめる レシピである。料理の技術力のない筆者でも、玉ねぎのみじん切りなどは、手間のうちに入らない。

コンビーフと玉ねぎの組み合わせは、紹介した「おつまみ横丁」の特許でも目新しい調理でもない。コンビーフと玉ねぎの組み合わせは一般的であるが、他のレシピにあるワインビネガーとか黒コショウなどで手を加えることなく、フライパンでほぐしながら炒めたコンビーフに玉ねぎだけある。それに加えてクラッカーがあればOKである。

筆者から一つだけアドバイス。フライパンでほぐしたコンビーフは冷めたら美味しさは半減してしまう。ほぐしたコンビーフは、熱伝導の良い容器に移し替え電気ウオーマーなどで温かさを維持した方が良い。

世の中に「ねぎ」類が嫌いな人がいる。その人たちは残念ながら、ウィスキーと「コンビーフ炒めのクラッカーのせ」のコラボ味を知ることなく、あたり前田のクラッカーをつまみにウィスキーを飲むことになる。気の毒である。