【8月6日広島の空に折り鶴が飛んだ】

 2020年の夏。8月6日で終戦から75年がすぎる。毎年この時期テレビでは、ニュースは勿論のこと戦争に関する番組が各局で特集・企画放送される。先日、話題の内容は覚えていないがあるニュースで、広島で被爆を受けた人がインタビュー中にバックから「折り鶴」を出し、羽を動かす仕草を見た。

折り鶴の羽が動いた 
 「折り鶴」の羽って動くんだっけ?一瞬、錯覚だと思った。いや、実際に動いている。インタビューしていた人もビックリして感激。鶴の尾を引っ張る動作で羽が同時に動くのである。

 すっかり生活から遠のいていた折り紙であるが、羽の動く鶴が折りたくなった。七夕飾りで折ることもないし、カープ優勝を祈願して1000羽を折ることもない折り紙。それ以前に、鶴の折り方も忘れてしまった。

 まずは、羽の動く鶴を折る前に基本的な「鶴」を折ることにした。困ったときの「YouTube」。こう言う折り紙のような目で見て手順を確認するには「YouTube」は助かる。それにしても、折り鶴映像投稿者の多いのには驚いてしまった。適当に選び再生する。何回か繰り返し見ているうちに、思い出してきた。

 いよいよ実技。常時、折り紙など準備していないので、コピー用紙を適当な大きさの正方形に切り使うことにした。「YouTube」の親切丁寧な手順により、基本的な折り鶴の完成である。懐かしい「折り鶴」であるが、この折り方では羽は確かに動かない。次は、羽の動く折り鶴の挑戦である。

 基本的な折り方は変わらない。最後の「羽」と「頭」の折り方の仕上げ段階の違いだけである。比べて見ると、羽の動かない鶴は仕上がりが繊細な感じがする。頭部と尾の部分が細く綺麗な形になる。一方、羽の動く鶴は、繊細さはないがチカラ強さがある。「YouTube」においても、『羽の動く鳥』という呼び方をしていることから、特に折り紙の世界では鶴にこだわってはいないようである。しかし、筆者は『鶴』に見える。この羽の動く鶴・鳥の折り方を知ったことで、少しだけ心が幸せになった。