【マタギの世界に見る狐と狸による超常現象】

グランドピアノの「STEINWAY」は手を消毒し清めてから弾かなければならない。かどうかは分からないが、秋田のマタギの場合、狩猟で山に入る時は多くの獲物を狩ることと無事に帰宅できることを神聖な山の神に祈願する。「マタギ」と聞くと心が何故かワクワクしてくる。本日は「マタギ」について書くことにする。

現在(いま)、田中康弘著「山怪(山人が語る不思議な話)」山と渓谷社を読んでいる。内容は、山の中には科学だけでは説明できない現象が数多く存在している。そのような不可解な現象の体験談と語り継がれてきた話を、マタギの聖地「阿仁マタギ」地区を中心に各地を巡り、実際に聞き取りまとめたものである。

山で体験した不思議な現象は、ほとんどが科学的に説明できず、それらは昔から「狐」と「狸」が原因として語り継がれ教訓とされてきた。現在でも阿仁マタギ地区は真夜中に火の玉(光の物体)が結構出現するそうだがUFOだとは誰も思っていない。「狐」「狸」の仕業だと信じている。

どのような理由でそうなったのか?日本昔ばなしで語られるように「狐」と「狸」が、人間をだまし討ちにするのは本当なのだろうか。NHK日曜日の夜「ダーウィンがきた」で解明してもらったら面白いと思う。どうやら、いくら強靭な狩猟集団マタギでも「狐」や「狸」には敵いそうもない話が結構語り継がれている。

身近な出来事としては、山菜採りを終えて、山を降りようとしても道に迷い同じ所を歩き回り家にたどり着くことが出来なかったことを多くのマタギが体験しているという。ホームグラウンドの山中猟場でマタギが、道に迷うことなど通常では有り得ないことである。超常現象と言うのは一種の催眠術・暗示に掛けられてしまうのではないだろうか。ほとんどの話で共通しているのが、無意識での行動である。

「狐」と「油揚げ」の関係などは、やはり何らかの根拠があってのことだと思う。山に入る時は「油揚げ」を持たないようにする言い伝えは、「狐」から避ける、身を守る教訓なのであろう。

「狸」は狸で、モノマネが上手いらしい。周囲には全く木が無い草地で、樵(きこり)が斧を木立に振るう音を出すとのこと。最近は、チェーンソーの音も出すらしい。太鼓の音を出すなど朝飯前のことであろう。

2019年 キャンプ場での小学生行方不明事件
登山における遭難事故の中には、天候の良い日にも関わらず登山コースで道に迷ったり、避難小屋で真夜中に救助隊の声を聞く幻覚は、もしかして「狐」と「狸」の仕業かも知れない。

最近は話を聞かなくなったが、2019年に山梨県のキャンプ場で、突如、神隠しにあったかのように小学1年生の少女が行方不明にったことを思い出した。全く信じ難い出来事である。場所はキャンプ場。多くの家族で賑わって居る中での出来事である。整備された開けた環境で迷子?になったことが信じられないことである。この出来事は、後に母親が関係しているのではないかとブログ記事で中傷される展開にまでなった。真相は未だに分からずである。

状況判断からして、事故・犯罪事件として推理しても、誰も解き明かすことは不可能である。山の中での「何かによる山怪現象」「目には見えない何かが存在する」異次元空間があるのかも知れない。

ブログ「これでいいのだ」