【NHKのど自慢!昔に聞いた鐘ひとつを聞いてみたい】

日曜日の昼、思いがけなく『NHKのど自慢』を見た。それこそ何十年ぶりかである。番組名を『NHK素人のど自慢』だとばかり思っていた。正式には「素人」はついていなかった。放映されている内容は、何次かの予選を通過した人達かと思える結構上手い人達ばかりである。昔から好んで見ていた番組ではなかったが、それほど上手い人達ばかりが登場していたことはなかった気がする。。

昔のど自慢が、まさか演出だとは思わないが、鐘が鳴っても歌うことを止めないヒト。半音階ずれて歌うヒトなどなど笑える挑戦者がゾクゾク登場していた。それこそ、1次か2次予選と思えるレベルであった。そんな番組内容のイメージがあったから「素人」の二文字が勝手に残っていたのかも知れない。

その『NHKのど自慢』を調べてみると、1946年のラジオ番組がスタートであった。番組名は「のど自慢素人音楽会」である。当時は「素人」が付いていた。翌年には「のど自慢素人演芸会」に名前が変わっている。その時点でも「素人」の二文字は未だ消えていなかった。「素人」が消えて現在の『NHKのど自慢』のタイトルになったのは1970年である。

テレビ放送は1953年が始まりで、1970年に『NHKのど自慢』のタイトルになり伴奏のスタイルも変わった。そう言えば、伴奏はアコーディオンだけだったようなことを思い出した。ちなみに現在の伴奏スタイルは「ファイブピースバンド」になっている。ファイブピースバンドとは(スリーピース+ピアノ+シンセサイザー)演奏である。言わずと知れたスリーピースはギター・ベース・ドラムである。スリーピースは英国圏では、パワー・トリオと呼ばれたりしている。

話がロックバンドに逸れてしまいそうである。『NHKのど自慢』に戻そう。
思いがけなく見た「のど自慢」であったが、昔のものとは大分変わっていた。「△番 加山雄三の君といつまでも」出だしのフレーズは昔と一緒だが、歌うヒト誰もが鐘「鐘ふたつ」である。冒頭に記したが、予選勝ち抜きの人達ばかりなのであろう。「鐘ひとつ」は誰もいなかった。記憶では「鐘ひとつ」が残念賞。「鐘ふたつ」が努力賞。合格は数えられないくらい鳴り響いたものである。

「鐘ひとつ」が笑える楽しみのひとつであったが、もう聞けないのだろうか。あの時の「鐘ひとつ」を聞いてみたくなった。
♬あの 素晴らしい 鐘ひとつを もう一度♬