【JR東海『リニア中央新幹線』よりも『ローカル線』がおもしろい】
赤字経営の地方ローカル鉄道路線。その赤字に輪をかけて新型コロナ禍の中において苦しいなりにも凄く元気である。旅行自粛中のこちらまで元気づけられてしまう。
DMV(デュアル・モード・ビークル)
DMVとは、列車が走る軌道(鉄道モード)と自動車が走るための道路(バスモード)の両方を走行出来るように改造されたバス車両のことである。近々、実用化されるのが四国徳島県第三セクターの「阿佐海岸鉄道」8.5㎞である。
8.5㎞営業の第三セクターが投資をして地域の活性化を図る姿には涙が流れる。元気を貰った。バスはマイクロバスが改造されており鉄道車輪が上下する機構で、駅のホームもDMVのサイズに合わせて変更工事されている。運転手はバスの免許を取得したとのこと。このDMVの営業が軌道に乗れば、鉄道交通のアクセスがなかった隣りの市・町まで移動が容易に可能になるわけである。
リニア中央新幹線
最近の地方ローカル線は、JR・第三セクター共に営業が苦しい。にも拘わらず、色々とイベント列車の企画で頑張っている。他方、JR各社は営業利益を新幹線中心に求め路線拡張をはかっている。
JR東海が超電導リニアを採用し中央新幹線を計画しているが、先行き怪しい状況である。想定以上の複雑な地盤によるトンネル工事工法のトラブル。加えて新型コロナ感染拡大で東海道新幹線の収益大幅減収による財政的問題も浮上し計画達成が危ぶまれている。リニア中央新幹線開業どころか、従来型新幹線の開通すら幻に成りはしないだろうか。
以前からリニア新幹線が失敗することを想定して、従来型新幹線を複線で走らせる為に工事が進められているいることは報道されている。いっそのこと、失敗する前の早い時期に、リニア新幹線の計画を変更し、従来型新幹線を走らせる案に切り替えた方が良さそうである。それでなくても近いうちに、静岡県が「中央新幹線、通過工事まかりならん」との強行行動に出そうな雰囲気である。現在の東海道新幹線静岡駅には「のぞみ」は停車しない。中央新幹線においては、停車どころか駅を作る予定も今のところ無いのである。どうも、静岡県とJR東海は遺恨がありそうである。
哀愁のラストラン
日本中、ミニ新幹線含め各地で新幹線の建設が進められている一方で、在来線の廃線、運行列車の減少が進んでいる。毎週日曜日のNHK朝番組で、昔に放送された映像を10分に編集した番組「10分で巡るにっぽんの廃線」が放送されている。廃線に伴う”ラストラン”の映像には『哀愁』を感じてしまう。その映像が放送された年代に、自分を重ね合わせてしまうからだ。自分としては懐かしさ半分、反省半分というところである。その地域で生活の一部となっていた鉄道路線が消えてしまう”ラストラン”の風景は儀式そのものである。地域住民が駅に集まり『長い間お疲れ様でした』の横断幕で感謝のお別れ会である。
現在の”ラストラン”と言えば、ブルートレインの「ラストラン」である。別れを惜しんで大勢の人々が集まるが、廃線”のラストラン”に集まる意味合いとは異なる。そこに集まるのは別れを惜しんで、最後の列車を目に焼き付けておこうとする人々よりも「撮り鉄」マニアである。深夜にも拘わらず、老若男女の鉄道マニアがホームに大勢集まりカメラを構えている。押すな押すなのお祭り騒ぎである。「こら~!フラッシュなんか使うんじゃね~」などと、まるで喧嘩腰である。
廃線セレモニーと同じように、ブルートレイン寝台特急列車のラストランも横断幕が掲げられているが、一向に哀愁が感じられない。当然と言えば当然である。旧国鉄時代を知らない若者たちが、何十年も寝台特急列車にお世話になったかのように、「ありがとう!」と声を張り上げているのだから無理もない。
今後、JRはどのような方向で進むのだろうか。国鉄が民営化に変わり、JR各社は新幹線の路線整備と超豪華列車で収益を図り、それで赤字路線を補おうとしているが、採算が取れず廃線にしてしまう。廃線で残った「ありがとう」「お疲れ様」の言葉だけでは寂しすぎる。
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