【おもしろ路上観察/蔵の雨戸】

日常生活において、ふと目にしたモノが周囲の景観に溶け込まず違和感を覚えることがある。今まで何気なく見ていたモノ、新たに目にするモノをあるがままに観察、鑑賞し筆者の色眼鏡で空想・想像してみたブログである。なお筆者は路上観察学会会員未登録である。

歴史のある蔵を改造して今の時代の店構えにしたのだろう。「酒店」である。屋号の看板は見当たらない。酒問屋「増田屋 仁左衛門」とでもしておこう。看板など無くても充分、商売をやってゆけるのだろう。この蔵自体、路上観察の対象としては特別、珍しい建物ではない。夕方に通りかかった風景が素晴らしい。惹きつけられたのが、次の画像である。

一般的に店の閉店戸締りは、シャッターを下ろす。増田屋の場合、閉店戸締りは雨戸を閉める(取り付ける)と言うことになる。雨戸一枚一枚に手を掛ける金具がついている。トタン板だとは思うが、雨戸一枚一枚をセットするのであれば、これだけの枚数を毎日、持ち運ぶのでは物凄いエネルギーを要するに違いない。開店時の朝は朝で、同じように一苦労である。仕事前に早くも休憩時間が必要になりそうである。

観察すると、一般家庭の縁側によく見かける雨戸と同じような作りのようである。戸の下の部分が擦れていることからもスライド移動するものと推測できる。スライド移動でまとめて収納できる作りなのだろうけれど、どのような収納(戸袋)になっているのだろうか。更に、いかにスムーズにこの板戸が作動するか興味のあるところでもある。戸建て住宅のサッシで出来た雨戸とはレベルが違う。トタン板とは言え凄い重圧感がある。機動隊員ガード用の盾のようである。

さて、雨戸一枚、一枚に取っ手があるということは、持ち上げるにしろ、引くにしろ『外側』での作業となる。台風が来ようが、雪が降ろうが『外』に出なければならないのだろう。「蔵」の利点は種々あり、また「蔵」の魅力を考えたら、雨戸の開け閉め作業などは・・・・・。であるのかも。

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