【偉大なる失敗作と言われたHONDA 1300クーペ】

偉大なる失敗作と言われた『HONDA 1300クーペ』に45年前乗っていた。その『1300クーペ』のモノクロ写真が、車雑誌に栞(しおり)替わりで挟まれていたのを見つけた。撮影は筆者。当然デジカメなどは未だ世に出ていない時代でモノクロプリントの写真である。“ノスタルジック 日本の名車”の気分になった。社会人になり赴任地が広島。広島ナンバーの『1300クーペ』である。当時の1.3Lとしては驚異的なパワーを秘めていたが、操縦性、乗り心地については快適と言えなかった。

ハンドリングの重さ。空冷方式のため長時間走行でのオーバーヒート。ブレーキオイル漏れによる冷や汗体験。ウィンドウ上下の硬さ。などなど、命がけのドライブを強いられた『1300クーペ』であった。特に、走行中の突然のエンストには冷や汗ものであったのを思い出す。

それでも、愛着はあった。人それぞれの好みはあろうがスタイルが好きだ。シンプルデザインだと思う。テールランプのデザインなどは「ムスタング」である。一番のお気に入りだったのは「フライトコックピット」と名付けられた運転席である。運転席に向かって湾曲した立体的なインパネになっている。

スポーツ心が楽しめる『1300クーペ』であったが、あまりにもトラブルが多く、3年ほど乗り手放すことにした。

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