【はらこ飯で熱燗を】

宮城県人の筆者は、「はらこ飯」が大好物である。秋になるとよく食べる「はらこ飯」である。最近は「いくら」が高級品のせいもあり、店によっては結構よい値段のメニューになっている。「はらこ飯」を知らない人のために簡単に説明しておくと、炊き込みご飯の一種で、醬油や味醂などと一緒に鮭を煮込んだ煮汁で炊き込んだご飯の上に、煮込んだ鮭といくら(はらこ)をのせたものである。

てっきり、全国的な料理かと思っていたが、発祥の地は宮城県亘理町に伝わる郷土料理で、どうやら宮城県発祥の料理のようである。他県で言うところの「はらこ飯」は、普通に白米を炊いたご飯が用いられているが宮城県の場合は、「はらこ」を煮込んだ煮汁でご飯を炊く味付けご飯である。宮城県・山形県で有名な河原で行われる「芋煮会」の汁と「はらこ飯」の組み合わせは最高だ。秋サケと芋煮会は正に、季節のコラボである。

はらこ飯レシピ
出来上がり(見た目)イメージ通りの非常に簡単な作り方である。
■生鮭を醤油・みりん・めんつゆ・砂糖・酒で約7分程煮る。それぞれの分量は、いつもの煮物料理と同じで自分にあった味でOK。

■次にご飯炊きである。生鮭を煮た煮汁を使用し、炊く米の量にもよるが、煮汁と水を合わせて通常のご飯炊きと同じ分量にする。

■食べる前に、煮た鮭と「いくら」を盛り付ける

単なるこれだけのことである。

この「はらこ飯」の作り方を地元のおばあちゃんたちが、学校で子供たちに教えるニュースを見て、無性に食べたくなった。街に出かけて食べるのも億劫だ。いっそのこと、自分で作ってやろうやないか!と言う訳でスーパーに買い出しに出かけた。

さすがに、季節の鮭は手ごろな価格だ。問題は「いくら」である。高級品だけあって、値が張る。あの時のニュースでは、子供たちが「いくら」を、口いっぱいに放り込み食べていたのが信じられない。「いくら」が無いことには「はらこ飯」にはならない。思い切って少量のパックを・・・・・・。

「はらこ飯」完成
自分で自分を褒めてやりたい出来映えであった。酒飲みの筆者にとって、この「はらこ飯」は酒の肴でもあり、食事の〆的な位置付けでもある。味付けご飯をつまんでは日本酒の熱燗を一口。つまんでは、一口。

それにしても何だ。ニュースでの、あの子供たちの前にふんだんに用意された「いくら」。料理学習とは言え、羨ましい残像が今でも消えない。

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