【弁当「吉田屋」ご先祖様に顔向けできない利益優先の罰当たり食中毒騒動】

9月の連休後、青森県八戸市の弁当「吉田屋」の弁当を食べたヒトが食中毒になった。疑われる製造・販売された弁当は、59種類、22,184個で9月末現在で、約500名近くが下痢や嘔吐などの症状で食中毒と確認されている。

八戸吉田屋
歴史もあり「駅弁」含め60種類ほどのレパートリーを持つ有名弁当屋である。通常でも1日6千個が製造販売されているらしいが、食中毒が疑われる9月15日と16日には、59種類の弁当2万2千個が全国33都道府県に納品されていた事が発表されている。

主力の「駅弁」の種類はと言うと、代表的なものだけでも『函館わっぱめし海鮮ミックス』『三陸産煮穴子めし』『海女のうに弁当』『大王ほたて弁当』などの名称で中身を見なくても名前を聞いただけで「パブロフの犬」状態になる海鮮各種ばかりである。

500名近くが食中毒と確認されたのと、体調不良を訴えたヒトは分かっているだけでも1都20県に及んでいる。弁当2万2千個の数からして、食中毒の症状の発生の程度の差はあったとしても、500名程度だけとは考え難い。全国規模の状況から、デパートなどでの『駅弁フェアー』などでかなりの数が販売されていたのだから、食べたけど食中毒の症状が軽く申し出ていないヒトもいたはずである。そちらの野生的な人数の方が気になる。どのようなサバイバル人間なのだろうか?

疑いながら箸が止まらない心理
実際被害に遭った人々のインタビューによると、『ご飯が普通じゃなかった』と言うのが共通している。「ご飯はネバネバ糸を引いてるところもあったが、イクラの漬け汁かと思って完食してしまって」と言う感想である。被害者は、違和感を覚えながら完食しているのである。海鮮生もの大好き人間は、目の前に「カニ」「ウニ」「イクラ」などがあったら、乙姫様と竜宮城で大宴会しているようなものである。途中で、箸を止める事など出来るわけがない。

駅弁フェアーでお目当ての品を購入しているのであればなおさらのことである。少々ご飯が粘っこくても、そう簡単には箸をおき中断する訳にはいかない。食中毒の三文字など全く頭にはない。その気持ち分かるような気がする。

最近は、旅行をしなくても全国の「駅弁」を購入する事ができ、豪華おせち料理にも匹敵する高級弁当に変わってしまった感がする。

駅弁も雰囲気次第
時々、1泊2日でローカル線の小旅行に出かけるが、駅弁はそれ程、興味のあるものではない。問題は、どこの観光地に行っても値段が高すぎる。乗り換えの時間調整で、駅の近くの食堂で1杯吞んで飯を食べた方が満足感を味わう方を好む筆者である。

旅行に出かけていつも思うことがある。最近は、在来線列車内で弁当を食べているヒトをみかけなくなった。当然のことかもしれない。旅行形態も変わり、新幹線とか人気の特急列車を利用しての旅行が普通になっているからだろう。新幹線では弁当を食べてるヒトを見かけるが、ローカル通勤・通学列車で「駅弁」を食べるヒトは見かけなくなってしまった。

以前に福島県会津若松に行った時のことである。予定していた列車が昼近くの為、今回の昼食は列車内で食べることにした。通勤・通学列車用での「ご当地駅弁」は高級過ぎる。駅構内コンビニに駆け込み,ワンカップ・おつまみ・コンビニ幕の内弁当駅弁を購入した。

ローカル通勤・通学列車は、平日昼時とあって1両貸し切り状態に近かった。向かい合い4人掛けの座席は独り占めの升席となり、周囲を気にせず弁当を拡げる快感と味を楽しむことができた。更に、購入した時は気が付かなかったワンカップ。ラベルが野口英世の似顔絵で「野口カップ」の名称が付いていたことも、コンビニ弁当を2倍美味しく楽しむことが出来た。

吉田屋の高級「贅沢カニ盛り『極』弁当」に負けない、コンビニ「幕の内弁当」であった。

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