【罰の当たらない祠(ほこら)の処分方法とは】
断捨離が話題になって久しい。生活における身の回りの整理・スリム化でスッキリしようと言うわけである。整理処分するくらい邪魔にもならない神仏にまつわる神具についても、断捨離とは別の位置付けで整理に迫られることがある。
正月飾りや古くなったお札。苦しい時の神頼みとしての用が済めばお役御免となる入試合格祈願などの御守り類は処分するにしても、安易な処理はできない。生ゴミと一緒に一般家庭ゴミとして出すなどとはもっての外である。「困ったとき」「禍(わざわい)に見舞われたとき」など、神に縋(すが)った行為に対して、恩を仇で返すようなものである。
どんと祭
宮城県に限らず全国各地で、お正月に使用した松飾りやしめ縄などの正月飾りや古いお神札や御守を神社に持ち寄り焼き払う行事・お祭りが昔から行われている。宮城県では、それが『どんと祭』と呼ばれており、神具を焼き払うのと併せその火に当たると一年間、無病息災で生活できると言われている。
神お札や御守、松飾りは簡単に持ち込み焼くことはできるが、そう簡単に処分出来ない『神様』が存在する。
祠(ほこら)の処分
「祠」とは、神を祀る小規模な殿舎で、神社を縮小したようなものである。身近なものでは家の神棚に祀られている。この場合は、木製のモノであるが、外に設けられているモノは石造りがほとんどである。筆者の地方では「外神(そとがみ)様」と呼び、生活に結びつく場所の要所に祀られている。川(川の神)・山(山の神)・井戸(井戸の神)など。神に見守られ生活しているわけである。人は、祠に感謝する。
祠は不要になった場合どの様な処分をするのだろうか興味があった。神社の神主・宮司に尋ねれば分かることであるが、そこまでの行動に出る必要性もない。
一族の先祖として祀る神様であるから不要になることはないのだろうが考えられるのが、今まで住んでいたその土地を訳あって離れる場合である。いくら「神」を奉ると言っても引越し先まで、石の塊を家財道具と一緒に輸送することは考えられない。
祠の安息場
あるローカル線の旅行をしていた時のこと乗り換え時間がかなりあった為、時間つぶしで駅周辺を探索することにした。田舎にしては大きな神社であった。参拝することにした。その境内の一角で見たのがこの画像である。
この画像が「外神様(祠)」の廃棄方法であった。持ち込まれた「祠」は宮司のお祓いを受けるのだろう。しかし、これで疑問が解けた訳ではない。お祓いを受けた後の対処はどうなるのだろうか。
この画像の場所は一時的な「休息の場所」であり、真の「安息の場所」ではない。「どんと祭」のように焼却出来れば良いが、焼却出来ないコンクリートや石でできたモノである。打ち砕く以外方法がなさそうである。打ち砕かれた「祠」は、神社境内に敷き詰められるのであろうか。そうなれば、敷き詰められた境内が「祠」の「安息の場所」ということになるのだろうか。
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