【難しくて読めない名字(苗字)を背負って生きるのも良し悪し】

NHKテレビで、日本人の名字の由来などを調査し紹介している番組『日本人のお名前』がある。大体は、珍しい名字に関する内容であるが、珍しいというよりも、名字の漢字を読むことが出来ない。今の世の中便利なもので自分の名字を入力すると、日本で何番目に位置するか調べられるアプリがある。一度、自分の名字の順位を確認してみるのも面白い。

ベスト3は佐藤さん・鈴木さん・高橋さんである。どれくらいの数かというと佐藤さんは、約1,862,000人。鈴木さんは、約1,791,000人。高橋さんは、約1,405,000人のデータがでている。

一方、滅多にお目にかかれない名字はと言うと。全国で10人くらいしかいない、巌田(いわた)さん・四恩(しおん)さん・裏辺(うらべ)さん・尾生屋(おぶや)さん・折安(おりやす)さんなどが載っている。と言っても、この5人の方の名字を見ると珍しいけれど読めないことは無い。同じ10人くらいしかいない『竈門』さんは読めるだろうか。「鬼滅の刃」で、すっかり有名になった難しい旧漢字の『竈』であるが(かまど・かまかど)と読むとのこと。最後にもう一人だけ。全国で200人くらいいる『強口』さんは(こわぐち)と読むとのことで、こちらの方が難しくて珍しい名字のような気がする。

ご先祖様が訳ありで付けた名字なのであろうが、当て字とも思える読めない漢字を背負った家系は末裔まで苦労することになる。色々な意味で、やはり目立ってしまうのだろうか。全く読むことが出来ない名字の主を取り巻く周囲では、困ったことも生じる。名前を呼ぼうにも咄嗟の場合、名前がでてこない。時には「あの~」とか「すみません」の掛け声になってしまう。
珍しい名字も保育園、幼稚園時代は何事もなく切り抜けられる。本人は自分の名字など何も考えていないし保育士たちも、珍しい名前というだけで、子供たちのネームプレートの「ひらがな」を読むことで苦労は無い。

一番困るのは、中学・高校の教師ではないだろうか。新学期授業開始の点呼で、つまづいてしまうに違いない。
「これから出席をとる!一番 あおき」「二番 いのうえ」「三番 うえだ」「四番 ・・・・??何て呼ぶんだ」となってしまいそうである。英語・数学・物理それぞれ教科ごとに点呼で、つまづいてしまうことになる。慣れるまでが一苦労で、なれたころには卒業ということに。

珍しい名字も社会人になって、営業に活かせれば万々歳なのであるが。何度、聞いても覚えてもらえない名字だと、営業にとっては逆に最悪である。
その珍しい名字のヒトから聞いたことであるが、なかなか電話だと正確に伝わらないし、覚えてもらえないらしい。電話では間違って覚えられても面倒くさいので訂正しないことにしているとのこと。珍しい名字も良し悪しかも知れない。

どうせだったら一度聴いたら忘れない珍しい名字だと、人生楽しく生きれるような気がする。『鬼瓦 権蔵』などはどうだろうか。しかし『鬼瓦』の名字を調べてみたら、日本人には存在しなかった。