【おもしろ路上観察/意味不明なエスカレーター】

 私立小学校の慶応義塾幼稚舎は、慶応義塾大学までの小中高大一貫教育校で、小学校に入学してしまえば後は無試験でそのまま進級出来るエスカレーター式を採用している。だがエスカレーターに乗れば、その後は安心というわけではないらしい。中学・高校では留年制度が設けられているとのことで、必ずしも慶応義塾幼稚舎の『エスカレーター』は安全・安心な乗り物ではないみたいである。

水平移動のエスカレーター
 慶応義塾幼稚舎の留年制度にも似たエスカレーターが、JR東日本仙台駅構内で稼働している。

 JR仙台駅「一番ホーム」に存在する上りエスカレーターで、途中の2mほどが水平移動をする。ほんの数メートルであるが、そこだけが歩く歩道と同じような動きをする。「途中に水平移動するヶ所があるので注意してください」との放送を常時流し注意を呼びかけているが、注意して乗らなければならないくらいなら、最初からノーマルなエスカレーターにしておけば良さそうである。何故、このような動きを設計しなければならなかったのか。全く意味不明である。

錯覚注意
 途中で水平移動するエスカレーターの何に注意せよ!とアナウンスしているのか?恐らく「錯覚」に注意せよと知らせているのかも知れない。通常は直線移動で目的の最上部まで、何をしなくても運んでくれる楽ちんな乗り物エスカレーターであるが、このエスカレーターは目的地までは一直線ではない。上に昇ろうとして意識していたものが、突如、上ではなく水平に進んだら『つんのめり』そうな錯覚に陥る。少なくとも筆者の左巻きの頭は、そう感じた。

 途中に水平移動を取り入れた理由は、盗撮防止かもと考えたが、駅構内にはそれこそ建物の3階か4階程度の高さを移動する長距離エスカレーターが稼働している。高さといい距離といい盗撮マニア向けと思われるが、そのエスカレーターには途中に全く水平移動などするヶ所な設けられていない。

 どうやら、盗撮とは関係の無い水平移動のようである。新型コロナウィルス禍の今、難しいことは考えないことにしよう。