【新型コロナウィルスが感染拡大するとどの企業が儲かる?】

2020-05-14

 日本のことわざで「風が吹けば桶屋が儲かる」と言うのがある。一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及ぶことの喩えである。今回の新型コロナウィルスの影響で、思わぬ品物が品切れになっている。と言うことは、製造元は予想外の利益を上げていることになる。

先ずは、このことわざを聞いたことが無い人のために、風が吹いてから桶屋が儲かるまでの順序を説明すると

・突風で砂埃が立つ

・砂ぼこりが目に入り、視力を失う人が増える

・視力の失った人は、職業に三味線弾きになろうと思い三味線を買いに走る

・三味線の皮の材料として猫が必要となり、多くの猫が捕獲されるようになる

・猫が捕獲され少なくなると、ネズミが増えだす

・ネズミが増えると、桶がかじられることが多くなる

・桶の修理や買い替え需要が増え、桶屋が儲かる

 と言う具合になるが、ダラダラと桶屋にたどり着く事なく、新型コロナウィルス感染拡大の場合、ストレートに商売繫盛に結びついている。

■マスク
文句なしの儲け頭である。当然ながら、悪徳商法でも消費者センターは文句を言うことは出来ないマスク商人聖域と言われた時期が続いた。中国やベトナムにマスクを製造している知人を知っていたので大量に輸入したなどと最もな口上で商売し、一部は無料で・・・・に寄付したなどと、善人ぶっているオヤジがTVに出ているが、どう見ても怪しい人物にしか見えない。儲けた上に、表彰状まで貰った罰当たりである。この様に一時的なタイミングに一儲けする人間は賢いのである。

■テイクアウト用パック(容器)
飲食店が大打撃を受けている。和食・洋食区別なく、あらゆる分野の店が生き残りに賭けテイクアウトを行っている。詳しく調べてはないが、詰め合わせ用パック容器の製造元はかなりの忙しさのような気がしている。TVなどで見る限り、かなり手の込んだしっかりした容器に見える。高級料亭の持ち帰りとなると、家庭で使用する安物プラスチック容器とは異なっているのが見ただけで分かる。汁漏れしないお洒落な容器である。しかし、料理(弁当)の値段はそれ程高くはない。大量製造でコストは安いのかもしれない。

オムロン製体温計とボタン電池LR‐41 
予想外だったのが『デジタルタイプ体温計』と付属品の『ボタン電池LR-41』である。デジタルタイプでなくても水銀タイプの体温計は一家に一本は準備しているものだと思っていたが、意外と各家庭で持ち合わせていないのかも知れない。デジタルタイプを持っていたとしても、長い間使用していないため電池切れも考えられる。兎に角、体温計本体と電池が店頭から消えてしまった。筆者も購入に走った一人であるが、その理由については4月初めブログ『自分の身を守るためには毎日の検温によるチェックしかない』を一読していただければ。

 思いつくまま列記してみたが、儲かっている思いもよらない業種が有りそうな気がする。手作りマスクを皆が作り出し「ゴムひも」が品不足らしい。感染予防関連と言えば関連しているが思いもよらない商品である。 

 毎日、倒産会社のニュースを聞く。一方、儲かっている会社があることは事実。しかし、その儲かっている会社の紹介・特集番組は見たことが無いし、当然ながら報道するわけがない。儲かって悪いことはないが、今回の因果関係での儲けの場合、両手を挙げて喜べない一面があるからだ。

 新型コロナウィルスが感染拡大すると「靴屋」が儲かるなどに結び付く余裕があれば良いのであるが、余りにも、新型コロナウィルスの感染拡大は「命」に直結しているから深刻である。外出自粛規制で「靴屋」は儲からない。