【アメリカ時間と仙台時間】

広島で、ラジオ放送のFEN(極東放送網)を初めて聴いた時は驚いたと同時に感激した。どうして、日本に居てアメリカの放送が聴けるのか?東北は宮城県人の筆者。在日米軍向け放送だとは分からなかった。

日本で1945年から放送されていたFENは、1997年にAFN(アメリカ軍放送網)に統合されている。魅力は音楽だ。ロック、カントリー、ソウルなど幅広いジャンルを聴くことができる。音楽好きにはたまらない。暫くして番組制作の考え方がまるっきり日本と違っていることに気づいた。押して切るノコギリを使うアメリカ人と一般的には引いて使う日本人との発想の違いかも。

アメリカ時間
日本の番組は、区切りの良い毎時0分からの開始となる。終了は、毎時0分前の10分か15分前が普通である。具体的に例えば、7時から始まって7時50分くらいで終了。次の番組は区切りの良い8時からのスタートとなる。アメリカの場合は日本と逆で、毎時0分から5分ほどニュースで、その後にメインの番組が始まる寸法だ。終了時間はと言うと、きっかり毎時0分前に終了するのである。

例えると、日本人は離陸を秒読みで時刻表通り合わせるが、アメリカ人は離陸時間が少々遅れても着陸時間は時刻表通りに帳尻を合わるようなものである。

仙台時間
「仙台時間」なるものをご存知だろうか。宮城県へ南から移動するヒトは白河の関越えで、北から移動のヒトは陸奥平泉で時計を「仙台時間」に時刻を合わせなくてはならない。宮城県人は時間にだけは、どういう訳かルーズな生活を送って現在(いま)に至るのである。一時、女子高校生のルーズソックスファッションが流行したが、発祥の地は宮城県である。時間をソックスに替えただけのことである。よく寡黙で誠実な東北人と言われているが、外面(そとづら)が良いだけの話である。

「仙台時間」では、約束の時間に遅れることは当然・遅刻する10分や20分は想定の範囲内で処理されることである。最近では、仙台時間を知らない人も多くなったが、50年前などは当たり前であった。ルーズソックスのように、これをファッション時刻とは言わない。

仙台に足を踏み入れる前に20分ほど、日本標準時より遅らせることである。それで、丁度約束の日本標準時間に会うことが出来る。

社内会議と言えば、20分・30分遅れのスタートは当たり前。そのくせ、終了時刻だけは厳しい。会議の後の一杯に焦点を合わせて会議が進行するからだ。意外と、正しい会議と言えるかも知れない。スタートこそ遅れるが、予定通りの終了時間は理想的な会議と言える。但し、議題の結論が出ればの話ではあるが。

会議の極意
サラリーマン時代、日本でも有名な某会社を訪れた時、会議室で「会議の5か条」を目にした。

■定刻開始・定刻終了
■会議のねらいを明確に
■準備は周到に、会議は短く
■資料は1枚、説明は簡潔に
■結論の確認と実行

流石に、超一流の会社だけある。

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