【給食の皿うどんで歯が欠けた笑えないできごと】

2021年3月11日のニュース。埼玉県朝霞市の小学校給食にでた『皿うどん』を食べた10人弱の生徒と一部教師の歯が欠け、数人の口の中が傷ついた事故が報じられた。

このニュースの見出し「皿うどんで歯が欠けた」を読んだ時は、まさか!「うどん」ではなく、出来損ないの「かた焼きそば」の間違いでは!の思いで笑ってしまった。内容を読み進めると、やはり『皿うどん』で間違いなかった。

調理された『皿うどん』は、児童に配膳する前に教頭が検査(試食)し、少し硬いが問題無しと判断したらしい。少し硬いどころか、怪我をするくらい硬い『皿うどん』だったのだが、この教頭の感覚に首をかしげたくなる。

児童数956人の小学校での出来事と知り、単なる『皿うどん』の硬さだけの問題、原因ではないような気がした。

956人の生徒と数十人の教諭の小学校で、被害者は10人弱。ニュースの記事内容が表面上だけなので詳しくは分からないが、被害者があまりにも少なすぎる。これは、限られたクラスでの問題としか思えない。筆者の色眼鏡で覗いてみることにする。

【推理・その1】
小学生時代、給食に関し教師から「残さないで食べること」と言われて、味付けがどうであろうと、皆一生懸命残さないよう食べたことを思い出す。今回のA先生のクラスでも、無理しても日頃の教えを通そうとして食べる事を強要したのではなかろうか。

【推理・その2】
人間の食に対して持っているイメージ「うどんは柔らかい」の先入観である。過去に食べた食が脳裏の引き出しに整理されている。「うどんは柔らかい」と思って噛んだのが運命。人間は、予想外の出来事に対しては意外と弱いものである。

今回の事故発生は、各学年各クラスの教師の判断ひとつだったのではと思われる。恐らく、生徒たちから「硬い」「硬い」の声が上がったはず。教師の判断で食事中止のクラスは怪我人無しとしか言いようがない。正に、教師に求められる判断の姿である。

東京銀座に和菓子老舗「あけぼの」がある。人気の煎餅に「げんこつ」があるので一度賞味して欲しい。「げんこつ」と言うくらだから、握りこぶしを連想させる「硬さ」の煎餅であるが、この「げんこつ」を食べて、今まで歯が欠けた事は一度もない。給食の『皿うどん』は、余程の硬さだったのだろう。試食検査した教頭の頭も『皿うどん』同様硬かったと言える。