【髭剃りはシェービングマグカップに粉石けんを泡立てて】
突然何かをしたくてたまらなくなるような、理性ではおさえられない心の動きを『衝動』と言う。
突然起きる心の動きといっても、潜在的に脳の奥深く冬眠していたものが目を覚ましただけのことかも知れない。
今回の衝動的な心の動きは、散髪屋での髭剃りの時、石鹼を泡立てるブラシと陶器がぶつかり合って発した音であった。何故か、遠い昔に引き戻される感覚になった。そして、温かなブラシが顔を滑ると「床屋の匂い」が気持ち良さを更に増幅させてくれた。
決めた。これからの髭剃りは、「シェービングマグカップ」に「ブラシ」で「石鹼」を泡立てよう。と。
それぞれの髭剃りアイテム調べてみると面白いことが分かった。少しでも伝わればと思い記すことにした。
シェービングマグカップ
散髪屋に行くと、見かける馴染み深い白い陶器製の泡立て容器。それが一般的と思っていたが、いろいろな種類のものがある。散髪屋にしか行ったことがないので知らなかっただけのことで、美容室では当たり前なのかも知れない。
シェービングボールと呼ばれ、ステンレス製やらコーヒーカップのようなお洒落なものまで揃っている。考えたら用途として、泡を立てることさえ出来れば良いのであるから湯飲み茶碗だって、ご飯茶碗だって構わないけである。ところが、床屋で昔から使われているシェービングカップには、日本ならではの心配り(アイデア)があった。
誰が考え出したのだろうか。まさか平賀源内でもあるまい。陶器製の2層式になったマグカップである。何が素晴らしいかと言うと、深い層と浅い層に分かれており、深い層は浅い層の下まである。すなわち深い層に熱い湯を入れることで、浅い層を温め、浅い層の泡が冷めないように保温しているのである。
そのおかげで、温かい泡で髭剃りができるというわけだ。シェービングフォームでは味わえない感覚である。
シェービングブラシ
ブラシの材質は、主に3種類。アナグマの毛・豚毛・そして豚毛と馬毛の混毛である。ナイロン製のものもあり、それほど遜色がないと言われているが、折角の拘り髭剃りであるから、雰囲気でアナグマ製ブラシを選ぶことにした。
アナグマ毛にもランクがある。
シルバーチップ 腹の部分★★★★★
ベストパジャー 腹付近の毛 ★★★
ピュアパジャー 背中と脇の毛 ★★
粉石けん
とりあえず、ネットのカスタマーレビューで評判の良いものを選んだ。以前は「花王」ブランドで販売されていた「ひげそり用粉石鹼」(エスケー)500gパウダー状を購入した。
容量が多いため、小さな容器に移し替え方が良いと考え、微妙に使用量を調整できる調味料の空き瓶にしてみた。非常にきめが細かい。容器に移し替える時は、周囲に散布しないように慎重に行う必要がある。
髭剃り1週間の感想
まだ満足できる泡立ちにはなっていない。石鹼の目分量が決まらない(分からない)。剃り味の感覚はと言うと、カミソリの滑りが良く、髭をゴルフ場の芝に例えると、順目・逆目関係なく(抵抗なく)剃れる感覚がある。決して、カミソリの刃の新しい、古いの差ではない。
剃り終わって、洗顔の時は以前と比べ時間がかかる。シェービングフォームは簡単に洗い落とせるが、石鹼の場合そうはいかない。その代り、洗顔後は爽やかそのものである。更におまけが付いている。ほんのりと、あの床屋の匂いがするのである。
シェービングフォームとシェービングマグカップ使用では、確かにアナグマのブラシによる泡立ての方が手間を要するが、その分朝の身支度儀式が楽しくなった。それと、少しだけ他人と違ったことをしている精神的な喜びを感じている。
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