【クマに遭遇したら死んだふりをするのが一番良い】
最近、毎日のように全国各地で熊の出没ニュースが報道されている。宮城県仙台市では、街中でも目撃され集団下校するなどの騒動まで起きている。秋の山菜採りで熊と遭遇し一命を落とす事故は、毎年のようにニュースで報道されるが、それは人間が熊の生活圏内に入り込むから熊が怒るのである。それが今度は熊が人間の生活圏内に入り込んできた。しかし、熊が人間の攻撃を受けて命を落としたなどと言う話は聞かない。
筆者は、ハイキングで「蔵王山」に登ることがある。山道の至る所に『クマの出没に注意』の立て看板を見かける。突然、遭遇したらどのような対応をしたら良いのかなどと考えたことが無かった。精々、カウベルをリュックサックに取り付けているくらいである。山まで足を運ばなくても、街中でも遭遇する可能性がある昨今、遭遇したらどうすればいいのか調べてみた。
小さなときから「熊と出会ったら死んだふりをしろ」と聞いたことがある。それは筆者に限らず、大抵の人が一度は聞いているのではないだろうか。「日本昔ばなし」で聞いた話なのだろうか。熊と戦った「語り部」の話でもないのに語り継がれている。ところが、日本熊森協会なる自然保護団体(一般財団法人)では、その様な熊予防対策は論外だと言う。
かと言って、協会が言う種々の予防対策を、読めば読むほど不可解な対応ばかりである。馬鹿馬鹿しくなってしまった。確かに、自然保護団体なので動物愛護の立場からの目線なのだろう。協会の対応マニュアルには【熊は大変臆病な動物なので、突然出会ったら、怖がらせないで優しい言葉をかけながら、少しずつ後退りして離れてやって下さい。怒ったり棒や石を投げないで下さい。もし、襲って来たら近くに登れる木があればよじ登るのも一方法です】ほんの一部の紹介であるが、笑えてしまう熊対策である。
❝優しい言葉をかける❞と言われても、熊語など話すことなどできるわけがない。また❝木によじ登れ❞と言われても、熊の方が木登りは上手そうである。
サーカスの猛獣使いは、どうして襲われないのだろうか。その謎を解く番組を見た。サーカスでは、4~5頭のライオンを一度に、一本のムチだけで芸をコントロールしている。ポイントは、猛獣使いのゴーグルに取り付けられた小型カメラが教えてくれた。すなわち、視線である。4~5頭いる一頭のライオンと視線を5秒以上合わせず、他のライオンへ常に変えることが重要らしい。お互い視線を長い間続けると襲われることがあるらしい。
やはり、熊と遭遇したら視線を合わせる事なく運命と思い、死んだふりをするしかないのかも知れない。熊との遭遇に限らず、何事も「死んだふり」は物事を切り抜ける最良の対応技である。上司から嫌な仕事をいいつけられそうになったら、視線を合わせる事なく「死んだふり」をするのが一番良い。
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