【酒燗器「ちろり」に決めて良かった】
電気「酒燗器」が突如故障してしまった。昨日までは問題なく使えていたのだが。それにしても、長い間使用した品物である。親の代からのモノであるから40年くらいは使用している。正に昭和のレトロを感じさせるモノである。
「カンペット」と言う名称がついており、製造元は「タニカ電器株式会社」。興味本位で会社を調べてみると、設立が昭和25年5月というからかなり歴史がある。現在も家庭用品から業務用まで製品を製造しており健在である。
筆者は夏でも無性に燗酒が呑みたくなる性質で、手間いらずの電気「酒燗器」は重宝なアイテムとなっている。買い替えを決めた。ヨドバシカメラまで足を運んだ。如何せん品定めをしようにも種類が少ない。お洒落な商品ならロフトや東急ハンズの方が可能性として確率が高そうな気がし覗いてみたが、期待は裏切られた。しかし人間の性で、欲しくなるとどうしても今すぐに手に入れたくなる。こうなったら、ネット通販で購入するしかない。
店頭陳列棚を見る限りは何とも日本酒人気薄の雰囲気であるが、ネット検索での種類の多さから、燗酒好みの酒の愛好者が大勢存在していそうである。多種多様でデザインも良いが値段も結構高い。迷ってしまう。
故障した「酒燗器」が電気製品であったことから、次に買い替え時も同じように、電気「酒燗器」を考えていた。と言うよりも、「酒燗器」は手間をかけずに好みの温度で日本酒を楽しむ電気製品であると言う固定観念があった。
電気「酒燗器」に混じって「ちろり」のあることが気になった。考えたら「ちろり」もれっきとした日本伝統の「酒燗器」である。手間が掛かると言っても、「徳利」で燗をするよりは簡単である。電気「酒燗器」選びで迷っているよりも「ちろり」を調べて見ようと思った。
調べてゆくうちに、どんどん引き込まれてゆく。この時点で、電気「酒燗器」よりも「ちろり」を購入することに気持ちは傾いていた。「ちろり」は、日本の伝統の酒器と言われているように、良く考えられている奥の深いモノである。材質は熱伝導が良くコストパフォーマンスの最も高いアルミ製で、1,000円前後のモノから気軽に購入出来る。しかし値段に反比例して使い勝手は手を抜いていない。全ての燗酒を愛する「吞兵衛」のことを考えて作られている。日本酒愛好者の伝統の酒器と言われる所以である。
■温める酒の量が、一目で目視できる。
■真鍮・銅・錫(すず)などに匹敵する熱伝導の高いアルミ製材質の低コストで造られている。
■熱くなる取っ手に「籐(とう)」を巻き、注ぎ手に優しい。
■1合から5合サイズ程度までのバリエーションが準備されている。
■アウトドアには直火燗も可能なステンレス製も準備されている。
「ちろり」で燗したコップ酒の雰囲気に浸ることにした。今回の買い物「ちろり」は、結局、ホームセンターから購入することになった。
初めて「ちろり」を使用した。使う前は、アルミ製の軽さから安定性がなく、深い鍋を使用し鍋の縁に取っ手を引っ掛ける必要があるのではないかと思っていた。何の、何の、浮き上がりの心配は全く無い。酒1合の量さえあれば大丈夫。さらに嬉しいのは、2合の酒量でも湯の量が少量で充分燗が出来ると言うことである。お湯さえ沸けば、想像以上に速く燗が出来てしまう。電気ヒーターなど問題にならない速さである。嬉しさ以上に驚きである。
購入品は『籐巻 酒タンポ 2号』日本製 税込で1,298円。2合用と思えるが「2号」となっている。筆者は、「酒タンポ」の呼び名を知らなかった。酒吞みとしてと言うよりも、東北人として恥ずかしい思いである。「タンポ」は関東・東北地方の方言で「ちろり」は関西地方の方言とのことである。もしかして「湯タンポ」も東北地方の方言から生まれたものなのだろうか。
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