【おもしろ路上観察/木戸のある家。郵便物はこちらにお願いします】

路上観察学会会員未登録。日常生活において、今まで何気なく見ていたものが時として、周囲の景観に違和感を覚えることがある。その物件の意味を、あるがままに観察、鑑賞し筆者の色眼鏡で空想・想像してみた。

違和感を覚える風景と言うのは、仕方なく(止むに止まれず)おこなった結果と計画的に考えておこなった結果が、観察対象の景観になってしまう場合がある。
いずれにしても、この『トマソン』と呼ばれている無用の長物・超芸術の裏にある、建物所有者の人間性と考えに惹かれてしまう。

黙って通り過ぎることの出来ないブロック塀を見た。ブロック塀が気になったのではなく「木戸」と「郵便受け」に惹かれた。「木戸」に対する主人の執念にである。

几帳面な主人

大小郵便受け口が2つ設けられている。受け口の周囲の補修跡からブロック塀を積んだ後に作られた気配であるが、意味不明である。
小包用と普通郵便用と分けているのか?だとしても、大型受け口1つあれば、小包・普通郵便の両方対応できそうである。几帳面な主人の性格が伺える。
2世帯住宅で受け取りを分けているのか?だとしたら、表札があっても良さそうである。

赤色じゃなくて青色

どこが木戸で、どこが郵便受け口なのかが一目で分かる。青色が目印だ。ただ、どう見ても高いブロック塀は後日付け足しで積み上げられた感じがする。家を新築する時、半分だけこの様な造り方は普通はしない。

元々は、左側に見えているような化粧の面格子の付いた塀だけで、背の高いブロック塀は無かったのかも知れない。しかし高くブロック塀を積み上げ困ったのが、郵便受け口。配達員に郵便受けと理解してもらえなかった?のか。そこで目立つように青く目印を付けたとしか想像できない。いっその事、同時に木戸にも目印をと言うことだったのかも。郵便マーク「〒」を付けるか、いっそのこと赤色の方が目印になりそうである。でも、木戸の色は、赤色より青の方が良さそうだ。 

城塞というより要塞

城塞の「木戸」というよりも、要塞である。ブロック塀の下部に設けられている化粧の空間ヶ所にも、小石が詰められており完全に外部との遮断が図られている。

戸惑ったのは来客関係者だと想像してしまう。それにもまして番困ったのは、郵便配達員に違いない。今でも、担当配達員は困っていると思う。

木戸を辞書で引くと『城塞の出入口。街路、庭園、住居などの出入口で開き戸の木の門をいう』とある。3軒だけの画像であるが、城塞の壁を築くことで苦労しているのが「郵便受け」のようだ。普通の感覚で言うところの、正面入口「玄関」が見当たらない。

城塞・要塞に来客者を迎え入れる『玄関』は必要無いのかも知れない。

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