【路上観察/消火設備としての美学『給水口』『送水口』】

東京銀座には、やはり「美」が溢れている。その「美」を見つけて以来、旅行先においても気になって注視してしまうようになってしまった。それは、防火設備てしての『給水口』『送水口』である。

オフィスビル、ショーウィンドウに溶け込んでいるのが、何とも言えない。建物の設備・補助的どころか、メイン的存在に見える。機能としては非常に重要なものであるが、普通に考えたら、わざわざ目立つように正面玄関に設けなくても良さそうなものである。黒子的存在である。

銀座の早朝。未だ、サラリーマンの通勤が始まる前の時間帯である。心ウキウキする場面と遭遇した。ビル正面玄関に設置されている『給水口』『送水口』の拭き掃除をしているヒトを見かけた。明らかに『給水口『送水口』だけの清掃請負業者である。二人で手際よく掃除しているのである。作業の流れからビルの単独依頼作業ではなく一区画全ての請負のような雰囲気であった。

玄関前に堂々と配置され建物のデザインの一部にもなって目を引く原因として、材質も大きな要因になっているのではないだろうか。銅の様な、ステンレスの様な。硝子窓と一緒で綺麗に磨きたくなりそうな気持ちになる。

最近のJR仙台駅周辺は再開発が進んでおり、綺麗なビルが目立つ。そのビルの前の通行に邪魔になりそうな『送水口』が並んだ。銀色に輝いたピカピカの一年生の勢揃いである。ところが、それぞれの『送水口』に説明がついている。

説明は、消防活動の人々の為で我々一般市民には関係の無いことである。この説明が折角の8連式の「美」を損ねてしまっているのである。それが、次の画像である。

仙台駅前の8連式と同じように、建物の大きさと比例して大型設備を時々、見かける時がある。次の画像である。この様な『送水口』を見ると、アートと言うより安心・安全を感じてしまう。

筆者のブログ「おもしろ路上観察/権力の消火栓」も合わせて読んで頂ければ幸いです。