【マンション管理員の心得を斬る】

2020-01-24

 マンション管理会社は数多くあるが、管理員として業務に従事するにあたり、これだけは心して働きなさいと各管理会社が掲げている「心得」がある。内容は大体同じで一般的には、6~7項目である。筆者の体験から何項目かだけであるが実態をみてゆくことにする。

公平の原則
 全てのお客様と常に公平にお付き合いしなさいとは、誰の教えだったか思い出せない。非常に美しい言葉ではあるが、常日ごろの生活で全てには当てはまらない。誰が良い人で誰が悪い人か。何が良いことで何が悪いことかを見極めることが大事だと思う。その判断の目を持つように子供のころから教育を受けてきたのである。
 筆者は悪い人とは付き合わないことにしている。マンション内でもそれは同じで、相手を見極めてお付き合いをし、悪い人には近づかないようにしていた。神様だって悪い人には罰を与えるに決まっている。
 ただ、良い人とお付き合いをし時間とともに「依怙贔屓」という魔物に取りつかれてしまうことがある。その場合は、周囲から気づかれないようにお付き合いすればよい。大人の仕事の流儀として。

プライバシーの尊重
 アルコールを飲み酔っ払ったかの如く、調子に乗って喋り過ぎないように注意しなさいと言うことである。調子に乗ると、余計な事まで口走ってしまう事は良くあることで、その話の内容が、プライバシーに結びくのが常である。一般的に「口の軽いやつ」と言われるヒトである。
 プライバシーに関わることと同時に、その人の人間性まで疑われることになる。

管理事務室の整理整頓
 2年間くらい働くと管理事務室は私的な部屋になってくる。整理整頓と言うより、生活・仕事のし易い環境が出来上がってくる。自宅で使用しなくなった小型冷蔵庫・電子レンジ・自転車などなど整えるまでになった。快適な生活環境の出来上がりである。何でもそうであるが、環境が悪いと良い仕事はできない。

元気に、気持ちの良い挨拶
 誰にでも元気に声を掛けるのは考えものである。元気は時として煩く(うるさく)感じる。本来であれば「笑顔で挨拶」で充分である。時に、背中越しに元気に挨拶されて、ビックリすることがある。思いやりの気持ちを表すのであれば、相手を驚かさない程度の挨拶で充分である。

清潔な身だしなみ
 筆者が以前勤務していた管理会社の決められた作業中のユニフォーム姿と言うのは、夏の間を除いてベースとなるのはワイシャツにネクタイで、その上に作業ジャンパーを着る。寒い時は、ジャンパーの上に防寒着を。清潔な身だしなみと言うよりは、真面目な身だしなみと言った方が合っている。その真面目な身だしなみも、半年も過ぎると不真面目な身だしなみに変わりネクタイを締めることなどしなくなってしまう。
 その代わりと言ったらなんだが、作業用スラックスだけは折り目つきである。アイロンを掛けてはいていた。年寄りの『お洒落』である。

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