【心臓移植手術費用2億円!募金で渡米する日本人の意識】

 募金で手術費用を集め渡米し心臓移植を行う行為に対し何ら否定するものではない。我が子の命を守る親がいて、周囲の人々の助けてあげたい気持ちが募金という形になり渡米心臓移植を行う行為は自然のことである。
 しかし、現実的な問題として我が子の命を救うことが、他人の命を奪ってしまうパラドックスを生み出していることをもう少し意識する必要があるように思われる。

10年前のあの少女は? 
 10年程前に、心臓移植を受けたいがため募金活動により3億円を集め渡米した少女の件が話題に上がった。急に、その後の様子が知りたくなった。調べて分かったことだが、募金活動を行い渡米心臓移植を受けた、少女と同じような子供たちがこの10年間で、余りにも多いということである。中には、肺の移植手術の少女もいたりで結局,誰があの時の少女だったのか分からず仕舞いであった。

募金活動という詐欺 
 2010年7月に改正臓器移植法が施行され、15歳未満の脳死臓器提供が可能になり、移植も日本国内で可能になっている。なのに、依然として、募金を集め渡米移植手術を受けている。
 驚いたのは、詐欺まがいの事件まで起きている。親族が記者会見で小学1年生の男児が渡米し心臓移植を行うための募金を呼びかけたというものである。ウソだと言うことが後日判明。募金活動がこれほどまでに、悪用されているとは・・・・・。

臓器提供意思表示の壁 
 「命を救う会」募金活動による渡米移植手術は、米国内で移植手術を待つ患者の順番に割り込むことである。募金渡米移植手術により命が救われても、順番待ちで命を失う人がいる限り助かる命は増えてはいない。命を助けてあげたい温かい気持ちが、米国内の患者の命を奪うことになっている現実。
 渡米移植手術を募金で行うことも選択肢であるが、日本国内での「臓器提供」意識つくりを根付かせることが必要なのかも。それが出来ない・根付かない現在の日本である。この問題が解決されない限り永遠に渡米して移植手術を受けることになる。

 

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