【重要書類の持ち運びはブルース・ブラザースのダン・エイクロードに依頼せよ】

 40年前(1981年)「ブルース・ブラザース」と言う映画が作られた。出だしの強烈なオープニングテーマが忘れられない。兄役ジョン・ベルーシが刑期を終え出所するシーン。弟役ダン・エイクロードが刑務所の門の前で出迎える場面での流れる曲である。

個人情報の流出・漏洩
 最近騒がれている個人情報の流出、漏洩問題。個人情報に限らず、日常の社内業務上の資料等も含まれそれらが外部に漏れて大きなな問題に発展している。

 今、ほとんどの会社では社員ひとりひとりが、業務及び日常生活において注意しなければならないことを事細かにマニュアル化されている。と言っても、その内容は案外常識的な注意事項である。色々と問題を起こす背景には、その常識が分からない人たちが多くなってきているということかもしれない。

 だからこそ、個人が引き起こす流出、漏洩は、ちょっとした『油断』から生じるような気がする。その「油断大敵火がボウボウ」的な情景を見てしまった。

ジュラルミンケース
 東北地方のローカル線小さな旅で目にした出来事である。向かい側に50代のサラリーマンが座っている。かなり几帳面な性格と見え、ショルダータイプのジュラルミンケースをたすき掛けにした上、膝に置き万全の防備で乗車している。これであれば、居眠りをしても安心というものだ。

 乗り継ぎ駅で、既に向かい側のホームに入っている列車に乗り替えた。サラリーマンも筆者と同じ方向と見え乗り込んで来た。乗客はまばらで、正にローカル鉄道の醍醐味であるのんびりした気分を味わう風景の一コマである。

 出発の時刻まで暫く時間がある。その待ち時間にサラリーマンが信じられない行動を起こした。いくらローカル線の駅で乗客もまばらの列車だからといって・・・・。いや、乗客もまばらだから可能なのだろうか。

 あれほど後生大事に抱きかかえていたジュラルミンケースを座席に放り投げたまま、自動販売機で缶コーヒーを購入しホームの端に設置されている喫煙エリアでくつろいでいるのである。どう見ても「ちぐはぐ」な行動である。居酒屋で、酒を飲んでいる時は肌身離さずバックを持っていながら、トイレに行くときは置きっぱなしにしてしまうのと同じ事である。

ブルース・ブラザース
 全身黒ずくめのブルース・ブラザース。ダン・エイクロードのあの姿を思い出してしまう。ジュラルミンケースのアタッシュケースを自分の手に手錠をかけて持ち運ぶあの姿である。重要書類の社外持ち出しは、それくらい注意する必要がありそうである。