【何事も熟成させるとひと味違う!魚・肉・酒・文章そしてお風呂】
最近は、熟成魚の刺し身、寿司が注目を浴びているらしい。熟成肉は聞いたことがあるが、熟成魚は初めて聞いた。しかし、食べ物だけが熟成させると美味しくなるなるというわけではない。そんな話を。
熟成魚
魚は鮮度が命だと言うイメージがある。ところが先日のTVで、その魚を熟成させた刺し身や握り寿司が話題になっていることを知った。手間暇掛けて作るので、値段は、鮮魚の1割から2割増しとのこと。
旨味成分の化学式は分からないが、熟成させることで旨味成分のグルタミン酸やイノシシ酸が生成されるらしい。但し、熟成は全ての魚には当てはまらず、マグロ・ノドグロ・ヒラメ・カレイなどが美味しく食べれる種類として紹介されていた。
では、どちらも美味しい鮮魚と熟成魚の食べ分けどのようにするのかと言うと、釣りたての鮮魚の場合は「コリコリした食感」を楽しみ、熟成魚の場合は「柔らかさとしっとりとした食感と旨味」を味わうとのこと。
ウィスキーの熟成
ウィスキーの熟成には、ロマンがある。ウィスキーを熟成させるため、樽詰めにして寝かせるのであるが、熟成中に水分、アルコール分が何%か蒸発し最終的な製造量が目減りする。その目減り分が、『天使の取り分』と言われている。天使が熟成期間見守って手助けをしてくれたお礼と言われている。何とも夢のある話である。
文章・報告書の熟成
熟成は食べ物に限ったことではない。手紙とか報告書の類にも言えることである。小説を書き上げた場合などにも当てはまるらしい。
筆者の従兄弟は現在、大学講師をしており、その傍ら小説なども書いている。作品が出来上がると「少し寝かしてから送るので読んでみてくれ」と連絡が入る。
「寝かす」意味は恐らく、発表は『急がず・焦らず・確認』だと思う。文章の熟成だ。今年(2019年)の第二回仙台短編文学賞で受賞しているくらいだから間違いなさそうである。
筆者の体験として、手紙とか報告書の類には、確かに当てはまる。特に報告書は熟成させると、報告内容に間違いが少なくなる。追加・訂正・削除の行為で綺麗にまとまる。但し、報告書は提出するタイミングを間違える(遅くなる)と何の意味もなくなるので、熟成のし過ぎには要注意である。
風呂の湯の熟成
ガス・石油などによる風呂の湯には該当しないかも知れない。薪で焚くお風呂の話である。
筆者の実家は40年ほど前まで、薪で沸かしたお風呂であった。今では、入りたくても入れないお宝「五右衛門風呂」である。
薪で焚く場合、微妙な温度調節などはできない。熱めに沸かしておいて、入浴する時に好みの温度に調節することになる。
一番湯は湯船が綺麗で、さも「良い湯」のような感じを受けるが、決して入浴し易い(入り心地の良い)湯加減とは言えない。硬さを感じる湯の質で、熱めの場合は「背中に痛さ」を感じてしまう。
それが、二番湯・三番湯になるに従い熱い湯になっても痛さは感じられず、円やかな「優しい湯」になってくる。この感覚が、風呂における熟成である。
さて、綺麗な一番湯に入るか?痛さを感じない優しい湯を選ぶか。
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